【読書感想文】91歳の心療内科医の心がラクになる診察室 ほどよく忘れて生きていく(藤井医院院長 藤井英子)

自己受容

記事を書いた人(ねむい🍀ゆとりづくりブロガー@nemu2blanket

ねむい
ねむい

30代2児の母です。

寝ることが好き。毎日7時間睡眠。

この記事を読むとわかること

・重たい人間関係が軽くなる思考法

・自分の心と身体を心地よく保つ方法

「人間関係」はほどよく忘れる

 心理学者のアルフレッド・アドラーは人の悩みの9割は人間関係であると断言しています。対人関係のもつれで疲弊している方は多いのではないでしょうか。

 とくに、誰かと折り合いをつけるために自分だけがしている我慢は、心身に不調をきたします。日本の代表的な漢方薬品メーカーであるツムラが実施した調査によると、20代から50代の女性のなんと8割が、心身に不調を感じているにも関わらず「隠れ我慢」をしながら生活していることが分かりました。我慢している理由として「我慢できる」「周りに心配をかけたくない」「周りに相談をしても分かってもらえない気がする」「周りの目が気になる」などがあり、我慢が、我慢を生んでいるのです。

 人間関係での問題について「私さえ我慢すれば」と、悲劇のヒロインのように自分だけで背負い込むと、自分を傷つけるだけでなく、周りの人達を甘やかしたり、最終的には苦しめることになります。

 一方的な我慢をやめることは、長期的に見ると自分のためでもある上、周りの人のためにもなります。もしも、今、ご自分を取り巻く環境の中で、「私さえ我慢すればなんとかなる」と思っているのだとしたら、一度ご自分にこう尋ねてみてください。「私が我慢することで、本当にうまく行っているのだろうか」「私が我慢するのをやめたら、困る人がいるのだろうか。」と。

 周囲に助けを求めると、自分だけでなく周りも救われることの方が多いのです。しなくていい我慢を続けていないかどうか、一度確かめてみませんか?

ねむい
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私が我慢するのをやめたら、子ども達がどんどん自立するようになりました。悲劇のヒロイン思考、さようなら。

「自分をいたわる」は忘れない

 元気だと、人はつい無理をしてしまいます。無理を続けることや、小さな不調に慣れてはいけません。ふと、「忙しくて心を亡くしているかも」と思考がよぎった時には、半強制的にでも自分を休ませなくてはなりません。

 自分の許容範囲を超えて、オーバーワークになっているのに、立ち止まれないという人がいます。忙しいことが明らかに不満、やっている仕事がとにかく苦しいのに、やめられないとなると、これはひとつの中毒、依存症状です。

 もしも仕事のことで頭がいっぱいになっていて、「誰にも任せられない」「すべて自分の責任」と思ってしまっているのなら、人の手を借りてでも、自分を一旦停止させ、いたわる必要があります。自分にブレーキをかけられるのは自分だけなのです。

 心も身体も、毎日丁寧に扱って、疲れたら休み、どこかが痛んだらケアをして整えながら生活していくのが大切です。人は元気なうちはつい無理をしてしまいます。自分が頑張っていることに気づきにくいものです。少しずつ悪くなっていくと、「ちょっと疲れているだけかも」と、疲れた状態にすっかり慣れたしまい、気づかぬふりを積み重ねて、どんどん心と身体が疲労で蝕まれていくのです。

 大きな病気から自分の心と身体を守るため、自分の疲れ具合や、いつもと違う心身の様子に敏感に生活していきたいものです。

ねむい
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心身の疲労は目に見えない借金のようで、数ヶ月後〜数年後に身に覚えのない支払い請求をされるような感覚になります。自分の心と身体、大事にしよう。

まとめ 〜ほどよく生きる〜

 本書の最後に「人生をもっとラクに生きられる方法」という問いに対して、著者から「いい塩梅を大切にしてください」と暖かく、優しいメッセージが記されています。

 人生は料理と同じで、自分にとってのいい塩梅、つまり「ほどよきところ」で日々過ごすのが、いきやすい暮らしに繋がります。自分が必要だと感じたものは「難しいから」「人目が気になるから」などと言い訳をせずサッと取り入れ、無意識のうちに握りしめていた悲しみや執着を手放し、よかったことすらも、適度に忘れるーーそうすると、自分にとっての「今」に戻ってこられる気がするのです。

 大切な家族との関係も、ほど良い距離感を保つ。自分でできることはやるけれど、できないことは人を頼りにし、誰かが困っていたら自分にできる範囲でお手伝いする。人間関係の「ほどよきところ」を探すことで、いきやすい暮らしは見つかるでしょう。

ねむい
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暖かさと重みのある本でした。本書を読んでいると診察を受けているような感覚になり、心がスッとラクになりますので、ぜひお手に取ってみてください!

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